and per se × 名古屋モード学園 アップサイクルプロジェクト②
PRESENTATION
バラエティに富んだ7つのプレゼンテーション
4月末に行われたオリエンテーションから約1ヶ月。学生たちは7つのチームに分かれ、それぞれがファッション・ロスやサスティナビリティといった社会問題に向き合い、コンセプトからターゲット、また今回のテーマでもある「再び長く愛用できるもの」を議論し、バラエティに富んだ7つの企画案にまとめてくれました。
Group-01『アップサイクル ペアルック・ぬいぐるみ企画』
この企画テーマは、
・廃棄予定のゴルフウエアを再利用したアップサイクル企画であること
・ウエアの柄や配色を活かして、ぬいぐるみやカップルで着用できるペアルックに再構築
・“捨てる”ではなく“新しい価値として残す”提案
彼らは、ゴルフウエアは機能性が高く、丈夫な素材が多いことに気づきました。
そして、廃棄される衣服に残っている思い出を、更に違う形に残していきたいという思いから、若年層にも親しみやすい雑貨として展開するという発想が生まれました。
ターゲット
・26~29歳のカップルゴルファー
・ゴルフ初心者
・スポーティーで可愛い雑貨が好きな若者層
若者がゴルフをやる機会は少ないが、最近ではデートコースがゴルフ場という人も増えてきたという話を聞いたことがきっかけで、この企画のアイディアが生まれました。
アップサイクル方法
・不用になったウエアを回収し洗浄
・パーツごとに裁断して色を再構築
・ペアルックもぬいぐるみも一点物として製作
デザイン・ポイント
・切り替えを活かしたパッチワーク風デザイン
・スポーティーさとかわいらしさの両立
・同じものが存在しない一点物
・ペアルックは、二人が並んだ時に♡に見えるデザイン
・余った素材でパッチワークのぬいぐるみを作る
・ぬいぐるみのボディにデートの日付やゴルフスコアを刺繍したり、ふたりの名前を入れたり、思い出になる一点物のベア
使用シーン
・ゴルフデートの時に着用するペアルック
・ゴルフバッグに付ける少し大きめのぬいぐるみチャーム。部屋にも飾れる。
企画の意義
・衣服の思い出やデザインを別の形として残す
・若年層にゴルフの楽しさを伝える
Group-02『OFF COURSE』
廃棄されるゴルフウエアの素材に着目。
ゴルフウエアの機能性を活かして、スイムウエアを作ります。
「OFF COURSE」とは、プレーできるエリアを外れた場所を意味するゴルフ用語。
ゴルフウエアからスイムウエアへ変化するという意味をかけました。
ターゲット
・20代~30代 女性・男性
・プールや海、紫外線や日焼けが気になる人
アップサイクル方法
・ポリエステル・ポリウレタン・ナイロンなど軽く、速乾性の高いものを再利用
・ファスナーやパイピングなどの付属を付けて水着・海水パンツ・ラッシュガードなどにリメイク
UVガードやストレッチ性、速乾性など、ゴルフウエアの機能性をそのまま活かせる、と着想。
ゴルフウエアと水着一見違うジャンルに見える。なぜゴルフウエアから水着に?という意外性が目を引くと考えました。
ゴルフウエアの特性を活かしつつ、スイムウエアに生まれ変われることこそ、まさにアップサイクルです。
Group-03『GREEN CARPET』
ゴルフコースに広がる芝生GREENと、栄誉の象徴であるRED CARPETを掛け合わせた造語です。
自然環境をより良い方向へ導くという意味を込めて、『GREEN CARPET』をテーマにしました。
本来プレーのためのゴルフウエアを、授賞式を彩るドレスへ再構築することで、競技服に新たな価値と役割を与えます。
なぜそれをつくるのか?
彼らは衣料の大量廃棄の理由として、洋服一着の価値が低いことにあると考えました。
逆に、一着の価値を高めることにより、廃棄されない価値のある服を作ることができる、と。
また、それがメディアに取り上げられることにより、ゴルフを広めるPR効果が得られるとも考えました。
このプロジェクトにはふたつの価値があります。
環境的価値
廃棄されるはずだったゴルフウエアを、高品質なドレスへと再生させる。
サーキュラー・エコノミーを具現化し、ファッション界の環境負荷を軽減。
文化的価値
日本の美である振袖のシルエットや、西洋の美しさのドレスを現代的な機能美と融合させる。
現代衣裳を身近に且つ、モダンにアップデートすることで、新たなファッション性を形成。
ターゲット
・10代・20代の女性
・プロゴルファー
・授賞式に参加する人
メリット
メディア露出により話題性が生まれて、アンパスィのゴルフウエアの認知度上がる。
思い出のある、過去に着たウエアを特別なタイミングでまた着ることができる。
環境に配慮し、アップサイクルしているので、現状に戻すことなく付加価値を高めることができる。
これはぜひ、授賞式で選手に着て欲しい!完成品が楽しみです。
Group-04『想いを編む』
編み物という手法を使って服を再生する案を考えました。手作業による一点もの。
着眼点
ゴルフウエアは、機能性のイメージが強かったが、アンパスィのウエアはデザイン性の高い可愛い生地が多かったので、「編み」という手法を選んだ。
“マンドゥバッグ”をイメージソースに、生地を棒状に縫製し、わたを詰めて編んでいくという技法を取り入れた。
使用するアイテムの種類やサイズを問わず、生地それぞれの柄や素材感を活かして作れると思った。
課題点
分厚いもの、立体的な表現をする時に、重くなるという問題点がある。
中に詰めるわたの分量や、詰めるもの、編み方の工夫で重さを解決したい。
トレンドのマンドゥバッグからの着想というところも、面白い。
現時点では、完成形があるようで無い、どんな作品が出来上がるのか楽しみな企画です。
Group-05『RE MAKE A GAL』
ゴルフウエアのイメージは、上品とスポーティー。どちらかというと、固いイメージ。
この固いイメージのゴルフと今の若者に影響を与えるギャルという存在を掛け合わせました。
デザイン・ポイント
ウエアの胸元を切り替えて肌見せ。タイトなシルエットは活かし、今の私たち(若者)が着たくなる今っぽさを再構築。
目的
・元のゴルフウエアのデザインや特徴は残しつつ、インフルエンサーが街中で着て発信するなど、ゴルフというスポーツを、固い存在ではなく、若者世代が着て楽しく可愛く伝えられるゴルフウエアを考案
・若い人たちがゴルフを好きになって、参加してくれることが大事
私見ですが、ゴルフウエアとギャル服は紙一重。と思っています。
でも、今のギャルにとって、ゴルフは縁遠い存在。
その垣根が取っ払われれば、もしかしたら新しいゴルフ文化が生まれるかも?と思わせる作品です。とても興味深い。
Group-06『and pass』
日常着のキッズウエアプロジェクト、and pass を提案しました。
and per se と服を受け渡すpass(パス)を掛け合わせた造語です。ゴルフウエアの可愛らしい柄やカラフルな色使いの素材を活かして、パッチワークで製作を行います。アンパスィのオリジナルワッペンやボタンがかわいいので、アイテムに組み込みたい。
目的
ゴルフ=大人のスポーツ
格式高い印象があるが、子どもをターゲットにした服を作り、この子ども服「かわいい」「欲しい」からゴルフが広まることを目的としました。
子どもをきっかけにゴルフウエアに興味を持った親がおそろいの柄のアイテムを身に着けられるように、余り布でアクセサリーを製作。
大人向けのネクタイや巻スカーフ、ポーチなどにアップサイクル。
カラフルなテキスタイルにボタンやワッペンなどで遊び心と立体感を加え、個性的に仕上げます。
ファッション性と実用性を兼ね、日常から特別なシーンまで、子どもと一緒に幅広く活用できる。
環境に配慮しながら、新しい価値観を生み出すデザインです。
Group-07『PLAY ROOM』
コンセプト『PLAY WELL REST WELL』
“休む”をもっと自由に。もっとカラフルに再編集する。
デザインの着想
総柄、派手な柄が多かったので、パジャマにしたら可愛いのでは?
高校生の頃、部活で着ていたジャージをそのまま部屋着として着ることが多かったことからの発想。
スポーツウエアの特殊な生地を使ってパジャマウエアの提案ができたら、と思い、このテーマに。
ターゲット
・ゆったりとしたシルエットにしたい
・ターゲットはファミリー層
・家族3~4人の設定。キッズも含め、グッズ等の提案もしたい
学生たちのユニークな発想と楽しい融合
以上、7グループの提案でした。
学生たちのユニークな発想と、ゴルフとファッションの思いがけない楽しい融合を、アップサイクルというお題に乗せて立案してくれました。
どのグループもテーマやコンセプトから入っているので、それぞれの思いが込められた素晴らしいプレゼンテーションでした。そう、サスティナブルというのはこの「思う」ことから始めることが大切だと思うので、これからどのように仕上がっていくのかますます期待が膨らみます。
この後、デザイン・作業工程のレポート、そして作品発表会、と続いていくこの名古屋モード学園とのアップサイクルプロジェクト、次回もぜひお楽しみに!!